【シン・社長通信】偏見だらけの世の中


全国的に遅い梅雨入りでしたが、今年も各地で線状降水帯なるものが発生し、豪雨災害をもたらしている。逆に山口県では大雨予報が外れてまさかの梅雨時期の猛暑日が、我が社の屈強な社員さんをも熱中症にさせています。例年以上の熱中症対策が求められる。都合で休工になっていた現場が再開し、フル稼働になりました。日々の体調管理をいつも以上に徹底して仕事に臨んでください。


さて、みなさんはACジャパンの広告で【聞こえてきた声】というのをご存じでしょうか。

少し前までテレビやラジオでよく流れていたので、一度は耳にしたことがあると思います。「キッチンで夕食の支度をする人がいます。」というナレーションから始まり「想像したのは男性の姿ですか?女性の姿ですか?無意識の偏見に気づくことから始めませんか。」というナレーションで終わるCⅯです。男女平等、ジェンダーフリー、ダイバーシティー(多様性)などの言葉が大きく取り上げられる昨今で、時宜を得たCⅯと言えるでしょう。

先月某日、脳科学者の中野信子さんの講演を聞く機会がありました。

中野さんは「サイコパス」など著書多数、またTⅤやユーチューブにも出演されている有名な大学教授です。先の「無意識の偏見」のお話もされましたので、いくつかの事例を紹介しながら、「偏見」について考えてみましょう。


ある交響楽団の男女構成比は9対1でした。女性団員がこれに不満を抱き、もっと女性比率を上げたいとの提案で、新規団員の選抜方法を変えてみました。今までは対面で顔が見える状態で演奏させていたのを、この時から、ついたてをして演者の姿かたちが分からないように選抜試験を実施しました。試験官の視覚を絶って耳のみで選んだわけです。

その結果、なんと男女比が5対5まで改善しました。無意識のうちに「男性の方が女性より演奏が上手なはずだ」というバイアスがかかっていたことが証明された事例と言えます。


次は男女差プラス見た目の優劣でどのくらい判断しているかの調査です。

全く同じ論文に著者の顔写真を付けます。容姿が良い男女、容姿が少し劣る男女の4人の写真です。100人の大学教授に4人のうちの誰かの顔写真付き論文を読んでもらって点数を付けてもらいます。全く同じ論文なので点数差が出るとは思えませんが、結果はどうなったと思いますか?

トップは見た目の良い男性、次いで見た目の劣る女性、3番目は見た目が劣る男性、最下位が見た目の良い女性となりました。

アカデミックの世界(今回は論文)では、同じ能力であれば容姿の良い男性と容姿がそうでもない女性が高く評価されるという結果が出ました。著名な政治家や学者また財界人は、男性で容姿の良いテレビ映えする人が多いのも、この結果から分かります。一方で容姿端麗な女性は・・・。

更なる考察は次回へ続きます。


代表取締役 加藤 晋(2024年7月17日記す)  

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