【社長通信】8月や 6日9日 15日
♫ 夜空の向こうの 朝の気配に・・・ ♪
夏至から2カ月余り、立秋も過ぎると夜明けが30分も遅くなる。昼夜を問わず猛暑が続いているが季節は確実に秋へと移ろうている。
それにしても激しい気候の変動である。雨の降る量が半端ではない。所かまわず、昼夜を問わず線状降水帯の仕業である。戦後78年目を迎えるこの8月にである。
《8月や 6日9日 15日》という詠み人知らずの句がある。
6日は広島に、9日は長崎に人類史上初めての原爆が投下された日。そして15日は昭和天皇が玉音放送で日本の敗戦を宣言した、つまり終戦の日である。昭和20年8月から今日まで78年間、戦後が続いているのである。
この戦後がいつまでも続くことを切に願うこの8月である。ついでながら、この78年は私の生きてきた歳月でもある。
さて、ぐずつく不安定な天候の下で今一つ動きが鈍かった業務も梅雨明けと同時に本格的に動き出した。それもいきなりの同時多発である。それに加えて現場の状況は曇天下から炎天下へと働く環境も激変、熱中症との戦いとなった。
例年なら夏もしばらくしてからみなさんの日焼け具合が気になるのだが、今年は瞬く間に真っ黒である。屋外での警備業務に経験の浅い隊員にとっては厳しい試練。無事にのりきってほしいと祈るような気持ちで見守る毎日である。
去る7月27日には、国連のグテレス事務総長は世界を覆う熱波にこう言及した。
世界気象機関(WMО)によると7月の世界気温は12万年ぶりの暑さだった。温暖化どころか、地球は沸騰化の時代に入った、と。
7月の日本はこの100年余りで最も暑かったという。この異常な暑さは屋外での労働を難しくするなどして労働生産性を低下させる。農業や漁業をはじめ、建設工事それに観光などのサービス業も影響を受ける。この熱ストレスによる経済的損失は計り知れない。特に食糧やエネルギーの減産は著しく人類の生存をも危うくする。アメリカを始め中国やインド、ブラジルなどの主要生産国が大きな影響を受けているという。食糧の供給が減り、価格高騰につながるリスクもあり、ウクライナ戦争による中東やアフリカの食糧不足の比ではない危機を招くといわれる。
ロシアによるウクライナ侵攻から1年と6カ月が経過するが収束の兆しは見えない。
ロシアのプーチン大統領が昨年来繰り返す核兵器使用の脅しを前に権威主義国家(ロシア、中国、北朝鮮)と民主主義国家(G7等)の睨み合いが続いている。先月広島でG7首脳が発表した「核軍縮に関する広島ビジョン」は「核兵器が存在する限りにおいて、防衛目的を果たす」と、核抑止を正当化した。核廃絶への具体的な道筋は示されなかった。被爆地広島出身の日本の首相は広島・長崎の核廃絶を求める声をG7首脳に届けることができなかった。
地球の温暖化がもたらす異常気象、地球が沸騰し、人類の生存基盤が危ういのにケンカしている場合かという思いを強く抱く。猛暑の夏ではあるが、秋の声とともに世界のリーダーといわれる人たちの頭もクールダウンすることを切に願っている。
代表取締役 加藤慶昭(2023年8月16日記す)
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