【社長通信】ホウ ホケキョ ケキョ
連休明けの8日早朝、5時前に♪ホウ ホケキョ♪ とけたたましいウグイスの声で眼が覚めた。
いつもは近くの山から聞こえてくるのだが、この時は家の近く、庭の梅の木からである。
それも生まれたばかりの幼鳥のようで鳴き方が未熟、声が不揃い。
♫ケキョケキョ、ホウ ケキョ♪などと、不協和音である。
今まで遠くから聞こえていた美しい声ではない。昨今の1日の気温差が20℃というなかでウグイスも体調不良・風邪をひいてしまったのかとも思うが、これも気候変動の影響による一つの異変とも受け止められる。
今年のGWはコロナ禍の終わりが近いと予測され観光地をはじめ人出が戻ったようである。コロナ禍による外出自粛などで抑圧されていた心が一気に解放されたかの如くの賑わいでもあった。
湯田温泉をはじめ県内のホテルや旅館も予約が取りにくいなどコロナ前の日常に戻りつつあると感じられた。
ただ、前半は好天に恵まれたものの後半はあいにくの雨。しかし、雨にも負けずと里帰り等で出かけた家族も多かったという。これは対面での親子、親族との交流、つながりがいかに大事かということをあらためて示している。
一方で、信じられない事件が多発している。
金銭的に追い詰められた者が侵すとんでもない犯罪、高齢者を欺く電話による詐欺事件は後を絶たず被害が拡大している。
それに加え最近は新手の闇バイトによる残虐な事件も増えている。高額な金に目がくらみ一生を棒に振る若者が後を絶たない。海外からの指示にて富裕な高齢者宅に押し入り強盗、殺人まで犯す者、東京・銀座8丁目の高級時計店を襲った事件はまさに映画のロケかと思うほど、人通りの多い中での信じられない事件であった。
さらには、人命を狙うテロ事件も発生し、世の中に不満のマグマが充満している。
その動機や背景は人によりさまざまだが、根底にあるのは今の世の中への強烈な不満、その暴発ではないか。このような事件の直接的な動機を追及することはもちろんだが、その事件を誘因する社会的背景を探り、その是正こそが大事なのではないか。類似の事件が連鎖的に起きるこの時代の動きは、注視しなくてはならない。
私が生まれたのは昭和20年3月で、8月の終戦直前、辛うじての戦中派である。
あれから戦後も78年である。ロシアのウクライナ侵攻や米中の対立、北朝鮮の核ミサイルの脅威など今日の世界情勢はきな臭くなってきた。今の、この世の中の空気を新しい戦前などと言われてもいるが、私としては今は歴史の大きな転換期と理解し、人間の「知」を信じる。
このような社会をもたらした時代背景を社会学者の宮台真司さんはこう述べている。
「1960年の団地化で地域が、80年代のコンビニ化で家族が、そして90年代中ごろからのケイタイ化で関係全般が、空洞化し、以降「KY(空気を読めない)」を恐れてキャラを演じるだけの関係に、若者が支配され始めます。それから四半世紀を経て彼らの子どもが若者となり、今は言いたいことを言えない空気が全体化しています。」と。
G7の広島開催に伴う高速道路規制も間もなく解除され、ずれ込んだ繁忙期が戻ってきます。もてあましていたやる気を存分に発揮する機会がやってきます。
自分を信じ、仲間を信じ、社会の安心、安全のために職務を全うしよう。「一味同心」心を合わせて、お互いの幸せを求めて精進しよう。
代表取締役 加藤慶昭(2023年5月15日記す)
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