【社長通信】生かされている命を想う


猛暑の中で始まったオリンピックはスタートダッシュよろしくメダルラッシュで盛り上がっていった。

それと軌を一にするようにコロナウイルスもより感染力の強いデルタ株に置き換わり感染者が急増していった。

35℃を超える猛暑の中で闘うアスリートの姿には素直に感動、一方で爆発的なコロナの感染拡大に命懸けで取り組む医療従事者の姿には頭が下がる。躁(ソウ)と鬱(ウツ)が同時に渦巻くような感情に、時に心が揺れる。


そこへオリンピックが終わるのを待っていたかのように梅雨末期のような豪雨がやってきた。8日夜の閉会式を境に暑さも和らぎ秋雨前線の襲来である。

九州から中国・四国地方に線状降水帯が居座り記録的な大雨をもたらしている。例年の8月1カ月分の降雨量を短時間で上回る記録的な豪雨が各地に甚大な被害をもたらしている。


過去に経験したことのない豪雨と警戒を呼びかけるも容赦なく雨は降り続く。避難指示で命を守る行動を、との呼びかけがコロナに対する警報と共鳴して人々の不安が増幅する。


降りしきる雨を見つめては近年頻発する自然災害に思いを巡らす。

異常気象がもたらす豪雨による大洪水。高温や干ばつによる大規模な山火事など地球上のあちこちで同時多発的に発生している。

このような自然災害は元はといえば人間の営みがもたらした人災である。

人間が便利さや快適さを求めて開発してきたさまざまな技術は、いまやプラス面より負の側面が大きくなった。つまり、社会の持続可能性に赤ランプが点される事態なのだ。


ⅠPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)が9日公表した報告書は、切迫する温暖化のリスクを世界に突き付けた。

気温の上昇を産業革命以前より1.5℃以内にする。最悪でも2℃以内に抑えること、それが人類の生き延びる条件という。異常気象の原因が気候変動による気温上昇の加速であり、その基は温暖化ガスの排出にある、つまり二酸化炭素の排出量を抑えることがその鍵となる。

つまり石炭や石油などの化石燃料由来のエネルギーの見直しで、産業構造の転換を伴う時代の大きな変革期をいま我々は生きているのだ。


8月は猛暑のち豪雨という異常気象下で外にも出られず、巣ごもり生活を余儀なくされた。

「8月や 6日9日 15日」という句があるが、この年の3月に生まれた私には直接的な戦争の記憶はないが、子どもの頃に感じた戦争の影のようなものを思い出す。


当時、山形の田舎では夏になるとどの家も戸は開けっ放しで中は丸見え。隣近所の座敷を無遠慮に覗き込んでは立派な額縁に入った写真に見入った。

軍服を着て立派な髭を生やした人物、その胸元には大小の勲章が輝いている。聞くと戦死したその家の主人・大黒柱である。50戸ほどの小さな集落ではあったがそのような家が数件はあった。

また小学校に入ったころは、父親を戦争で失いお祖父さんと暮らす母子家庭の同級生が何人かいた。

これが私にとっての8月の、そして戦争の記憶の一片である。


13日は梅雨の晴れ間の早朝に仁保・源久寺へ墓参り。

山口を終の棲家として墓地を確保し、墓標のみが建つ。隣には妻の両親の墓、墓前にて家族それぞれの思いで、生かされている命に感謝申し上げ、静かに頭を下げた。合掌。


代表取締役 加藤慶昭(8月18日記す)

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