【社長通信】土を楽しむ
4月も半ばになり夜の明けるのが早くなった。朝4時半に起きてウオーキングするのだが、その時はすでに「夜空の向うに、朝の気配」である。
夜明け前の静けさの中で近くの里山からホウ、ホウとふくろうの声が聞こえてくる。時には暗闇の中でうり坊に出会うこともあり身近な自然のなかでそれぞれの命の営みを感じる。ただ例年なら今頃盛んに鳴いているはずのウグイスの声が聞こえないのが気になる。
毎年のことだが家庭菜園を趣味とする私にとって4月に入ると忙しくなる。
夏野菜の種まきや苗の植え付けは4月末からゴールデンウイークにかけてであり、植える2週間前までには畑を作っておかなくてはならない。菜種梅雨ともいわれる春の雨の時季、天気予報とにらめっこしては4月の初めに草刈りやら冬野菜の始末をして10坪の畑を耕した。前期高齢者までは鍬で耕していたが今は耕運機の力を借りている。
野菜づくりは土づくりからといわれるが多めの堆肥と少々の消石灰を施してから、しっかりと耕しては混ぜ込んだ。最後の仕上げは畝立てだがこれが意外と力仕事で高齢の身には堪える。幅1、2m、長さ3mの畝を10本作るのだが植える野菜を考えて高さを調節する。連作を避けるために植える野菜の位置も考えねばならない。作業後の体重は2㎏減っていた。汗を流したあとのスーパードライが疲れた身体を癒してくれた。
この地に居を構えて36年になるが5年過ぎた頃に1反歩(300坪)ほどの耕作放棄地を草刈り等の管理を条件に自由に使わせてもらうことになった。
春、夏、秋と年3回ほどの草刈りはそれこそ1日仕事だった。特にセイダカアワダチソウは難敵で苦労した。そのころは丁度ゴルフを始めたばかりで絶好のアプローチの練習場となった。近くのベストゴルフセンターでの打ち放しと併せて練習に熱が入り、1年以内で100切りを果たした。
引っ越し当初は裏の水路に挟まれた3坪ほどの雑種地を耕してままごとみたいに野菜を作っていた。そのうち物足りなくなり耕運機を導入したのを機にゴルフ練習場の一部を耕して畑にした。それまでの3倍近い10坪の広さで栽培する野菜の種類も量も今までの倍以上にし、本格的な百姓になった。
夏野菜の定番はトマト、キュウリ、ナス、ピーマン、カボチャ、トウモロコシなどだが、毎日一度は足を運び生育具合を確かめる。それこそ野菜の姿を見て水が欲しいのか、えさ(肥料)が欲しいのかと聞く。それに野菜はきちんと応えてくれる。
特に5月の風(メイストーム)への対処、夏場の乾燥、ワキ芽欠き、雑草取りなどは大事な仕事で気が抜けない。年により出来、不出来はあるがその原因を探り、その解決に挑む奥の深い作業である。
最後になるが、収穫の喜びを子ども達と一緒に味わうのに最適なのは芋掘りのようだ。ジャガイモやサツマイモは土をほじくり、芋を探して掘り出すことが宝探しのようで楽しい。そして各人が掘り出した芋をお土産に持たせてやることにしているからかもしれない。
代表取締役 加藤慶昭(4月15日記す)
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